収穫した菊芋を加工すると、どれくらいの商品になるのでしょうか?

「菊芋100kgから、何kgのパウダーができる?」
「乾燥チップスとパウダーでは、歩留まりが違う?」
「加工費や活用方法は、どう違う?」

菊芋を栽培している農家さんや、 加工販売を考えている方にとって、 加工後の重量や費用は気になるところではないでしょうか。

菊芋は水分を多く含むため、 乾燥すると重量が大きく減少します。 また、チップスとパウダーでは、 製造工程や製品歩留まり、 商品としての活用方法にも違いがあります。

アルファインでは、20年以上にわたり 菊芋の加工や商品開発に携わってきました。

今回は、実際の加工経験をもとに、 菊芋の乾燥加工の歩留まりや加工費の考え方、 チップスとパウダーの違い、 それぞれの活用方法についてご紹介します。

菊芋100kgを乾燥すると何kgになる?

菊芋は水分を多く含む農産物です。 生の菊芋を乾燥させると、水分が取り除かれるため、 重量は大きく減少します。

文部科学省の食品成分表によると、 生菊芋の可食部100gに含まれる水分量は81.7g。 つまり、菊芋の約8割は水分ということになります。

では、実際に加工すると、どれくらいの量になるのでしょうか。

アルファインでの加工経験では、 生菊芋から乾燥パウダーへの製品歩留まりは、 おおよそ14%を目安としています。

生菊芋からパウダーへの加工重量の目安

生菊芋 100kg
→
乾燥パウダー 約14kg

生菊芋 約7kgから、パウダー約1kgが目安

ただし、これは加工経験に基づく目安です。 菊芋の水分量や原料の状態、洗浄・選別で取り除く部分、 乾燥条件などによって、実際の仕上がり重量は変わります。

また、乾燥チップスの場合は、割れや欠け、 細かく砕けた部分を選別するため、 最終的に商品として販売できる重量は パウダーより少なくなる傾向があります。

加工を考える際のポイント

水分が抜けた後の重量と、 最終的に販売できる商品の重量は同じとは限りません。 商品化を考える際には、製造工程で発生するロスも 含めて歩留まりを考えることが大切です。

収穫量から計算する加工数量

菊芋を加工して販売する場合、 どれくらいの製品ができるのかを把握しておくことは、 商品の製造計画を立てるうえで大切です。

アルファインでの加工経験に基づき、 乾燥パウダーの製品歩留まりを約14%として、 生菊芋の重量から仕上がり数量を計算してみましょう。

生菊芋の重量 パウダーの仕上がり目安
10kg 約1.4kg
50kg 約7kg
100kg 約14kg
300kg 約42kg
500kg 約70kg
1,000kg 約140kg

※製品歩留まり14%で計算した概算値です。 原料の水分量や状態、洗浄・選別によるロス、 加工条件などによって実際の製品重量は異なります。

生菊芋100kgから100g入りの商品は何袋できる?

例えば、生菊芋100kgから 約14kgのパウダーができたとします。

これを100g入りの商品として袋詰めすると、 計算上は140袋になります。

100g入り商品の製造数量

14kg ÷ 100g = 140袋

※充填ロスなどを考慮しない理論上の袋数

実際の商品製造では、袋詰めの際に発生するロスや、 内容量の管理なども考慮する必要があります。

また、加工費だけでなく、包装資材費や検査費、 輸送費なども必要になるため、 完成する商品の数量を把握したうえで、 販売価格や採算を検討することが大切です。

チップスとパウダーの歩留まりの違い

同じ生菊芋を乾燥させても、 チップスとパウダーでは、 最終的に商品として使用できる重量が異なります。

大きな違いは、乾燥後に発生する 割れや細かい部分を、商品として活用できるかどうかです。

乾燥菊芋チップス

乾燥菊芋チップス

形状選別によるロスが発生

チップスは、スライスした菊芋を そのままの形で乾燥させた商品です。

乾燥中や取り扱いの際に、 割れたり細かく砕けたりすることがあります。

商品として一定の形や大きさをそろえる場合、 こうした細かい部分を取り除くため、 最終的な製品歩留まりは低くなります。

菊芋パウダー

菊芋パウダー

乾燥原料を無駄なく活用しやすい

パウダーは、乾燥した菊芋を 粉砕して製造します。

チップスとしては小さすぎる部分でも、 品質や加工条件に問題がなければ、 粉末原料として活用できます。

粉砕時のロスも比較的少ないため、 アルファインでは製品歩留まり 約14%を目安としています。

同じ菊芋でも、最終的な商品重量は違う

パウダーは生菊芋の約14%が製品重量の目安ですが、 チップスは乾燥後の形状選別によって、 さらに歩留まりが下がる傾向があります。

そのため、加工を依頼する際には、 乾燥後の総重量だけでなく、 販売できる製品が何kg仕上がるのか を確認することが大切です。

工程が多いパウダーのほうが加工費は高い?

菊芋チップスは、スライスした菊芋を乾燥させたもの。 一方、菊芋パウダーは、乾燥後に粉砕し、 さらにふるいにかけて粒度をそろえる工程が加わります。

工程が多いため、パウダーのほうが加工費も高くなると 思われるかもしれません。 しかし、実際の製造では必ずしもそうとは限りません。

チップスはスライスと選別に手間がかかる

乾燥チップスの場合、スライスの厚みや形が 商品の仕上がりに影響します。

厚みが不均一になると乾燥状態に差が出やすく、 乾燥中や取り扱いの際に、 割れたり細かく砕けたりすることもあります。

商品として形や大きさをそろえる場合には、 乾燥後にも選別作業が必要です。 こうした作業には手間がかかり、 製品歩留まりにも影響します。

パウダーは裁断・粉砕を機械化しやすい

菊芋パウダーは最終的に粉末にするため、 チップスのようにスライスの形や厚みを そろえる必要がありません。

菊芋を細かく裁断できればよいため、 裁断工程は機械に任せることができ、 形状に気を遣う必要がありません。

乾燥後の粉砕も機械で行うため、 比較的効率よく作業を進めることができます。

パウダーの品質を左右する、ふるい工程

パウダーの製造で重要なのが、 粉砕後のふるい工程です。

粉砕した菊芋には、粒子の大きさにばらつきがあります。 そのため、指定された粒度に仕上げるには、 適切な目開きのふるいを使用して、 粒子の大きさを管理する必要があります。

ふるいを通過しなかった粗い粒子については、 必要に応じて再粉砕するなど、 製品仕様に合わせた調整を行います。

粒度は、食品に配合した際の食感や口当たり、 混ざりやすさなどにも関わるため、 パウダーの商品品質を考えるうえで 大切なポイントになります。

このように、パウダーには粉砕やふるいの工程が加わりますが、 裁断や粉砕を機械化しやすく、 チップスのように形をそろえるための 細かな選別作業が少ないという特徴があります。

また、チップスとしては商品にならない細かい部分も、 品質や製品仕様に問題がなければ、 パウダーとして活用できるため、 原料のロスを抑えやすいのも利点です。

加工工程 チップス パウダー
洗浄・選別 必要 必要
スライス・裁断 厚みや形状に気を遣う 細かく裁断できればよく、機械任せ
乾燥 必要 必要
粉砕 不要 機械による処理
ふるい 形状選別が中心 指定粒度に合わせたふるい分け
仕上げ・品質確認 割れ・欠けなどを確認 粒度・品質を確認
製品歩留まり 形状選別で低下 約14%が目安

加工費は工程の数だけでは決まりません

チップスは工程が少なくても、 スライスや形状選別に手間がかかります。

一方、パウダーには粉砕とふるい工程が加わりますが、 裁断や粉砕を機械化しやすく、 比較的効率よく製造できます。

また、パウダーは形状選別によるロスが少ないため、 同じ量の生菊芋を加工しても、 チップスより製品重量を確保しやすいという特徴があります。

もちろん、実際の加工費は製造数量や設備、 指定する粒度、品質基準などによって異なります。

菊芋の商品化を考える際には、 加工工程の数だけで判断せず、 作業にかかる手間、求める品質、 最終的な製品歩留まりをあわせて比較すること が大切です。

チップスとパウダー、活用しやすいのは?

菊芋を加工する際には、歩留まりや加工費だけでなく、 加工後にどのような商品として活用できるかも 大切なポイントです。

乾燥チップスとパウダーは、 同じ菊芋から作られますが、 加工形態によって活用方法が異なります。

特に乾燥チップスは、 スライスの厚みを変えることで、 食感も用途も大きく変わることが特徴です。

スライスの厚みで変わる、菊芋の新しい可能性

菊芋を薄くスライスして乾燥させたものと、 厚みを持たせて乾燥させたものでは、 食感も料理への使い方も異なります。

アルファインでは、用途に応じて、 薄切りの「菊芋チップス」と、 厚みのある「乾燥菊芋」を使い分けています。

THIN SLICED CHIPS

薄切り菊芋チップス

軽やかな食感を楽しむ

菊芋を薄くスライスして乾燥させると、 スナック感覚でそのまま食べられる チップスになります。

菊芋そのものの風味を楽しむほか、 塩やスパイスなどで味付けすることで、 さまざまな商品展開が考えられます。

また、薄切りならではの食べやすさを活かし、 料理の具材として使うこともできます。

活用アイデア

  • そのまま食べる菊芋スナック
  • 塩味・スパイス味のチップス
  • サラダや料理のトッピング
  • 炊き込みご飯の具材
  • 菊芋茶の原料

DRIED KIKUIMO

厚みのある乾燥菊芋

戻した後の歯ごたえを活かす

厚みを持たせて乾燥させた菊芋は、 水で戻すことで、しっかりとした 歯ごたえを楽しめます。

この独特の食感は、 薄切りチップスとは異なる魅力です。

例えば、歯ごたえを活かした漬物や、 乾物感覚で使う佃煮など、 和惣菜への活用も考えられます。

単なる乾燥野菜ではなく、 食感に特徴を持たせる食品原料としても 面白い存在です。

活用アイデア

  • 歯ごたえを活かした漬物
  • 乾物感覚で使う料理の素材
  • 食べ応えのある佃煮や総菜など
  • 食感を活かした加工食品

このように、同じ菊芋でも、 スライスの厚みによって食感や用途が変わります。

特に厚みのある乾燥菊芋は、 戻した後の歯ごたえを活かすことで、 乾物のような感覚でさまざまな食品に取り入れられます。

菊芋を「乾燥させて保存する」だけでなく、 「新しい食感を生み出す食品素材」として考える。

そんな視点からも、商品開発の可能性が広がります。

菊芋パウダーは、さまざまな食品への配合に

一方、菊芋パウダーは、 乾燥した菊芋を粉末状にした原料です。

チップスのように形や食感を残すのではなく、 さまざまな食品に混ぜ込んで使えることが特徴です。

活用アイデア

  • パン・クッキー・焼き菓子
  • ポタージュ・粉末スープ
  • ドレッシング・各種調味料
  • 麺類などの加工食品
  • 粉末飲料・健康食品

パウダーは既存の食品にも配合しやすく、 食品メーカー向けの業務用原料としても 幅広い用途が考えられます。

ただし、配合量や使用する食品によっては、 風味や食感に影響するため、 商品に合わせた配合試験が必要です。

チップスとパウダー、どちらを選ぶ?

薄切り菊芋チップスは、スナックや トッピングなど、そのままの形を活かす用途に向いています。

厚みのある乾燥菊芋は、 水で戻した後のしっかりとした歯ごたえが魅力。 漬物や佃煮など、乾物感覚で使う食品への 展開も考えられます。

一方、パウダーはさまざまな食品に配合でき、 加工食品の商品開発や業務用原料としての 利用に向いています。

加工形態によって、菊芋の可能性は広がる

同じ菊芋でも、薄くスライスするか、 厚みを持たせるか、粉末にするかによって、 商品としての特徴が変わります。

形や食感を活かすなら乾燥チップス、 幅広い食品への配合ならパウダー。

どのような商品を作りたいかを考えながら、 適した加工形態を選ぶことが大切です。

※掲載している用途は商品開発のアイデアです。 実際の商品化には、スライスの厚みや乾燥条件、 戻し方、食感、品質・保存性などの確認が必要です。

菊芋を商品化する前に考えたいこと

菊芋を栽培している農家さんにとって、 収穫した菊芋を加工品にすることは、 新しい販路を考えるきっかけにもなります。

ただし、加工すれば必ず売れるというわけではありません。 大切なのは、加工後の商品を 誰に、どのような形で届けるか を考えることです。

商品化を考える際の5つのポイント

  1. 加工できる菊芋は何kgあるか 収穫量だけでなく、傷みや選別によるロスも考慮します。
  2. どのような商品にしたいか 薄切りチップス、厚みのある乾燥菊芋、 パウダーなど、用途に合わせて考えます。
  3. 加工後に何kgの商品ができるか 歩留まりをもとに、販売できる数量の目安を計算します。
  4. 誰に、どこで販売するか 直売所や通販、食品メーカーへの原料販売など、 販売先によって適した商品形態は異なります。
  5. 加工費と販売価格のバランス 加工費だけでなく、包装資材費、品質検査費、 輸送費なども含めて採算を考えます。

販売先によって、適した加工方法も変わる

例えば、道の駅や農産物直売所などで販売するなら、 菊芋そのものの特徴が伝わるチップスや、 使い方を提案した小袋のパウダーなどが考えられます。

一方、食品メーカーや飲食店向けには、 商品への配合や調理で使いやすい形状、 必要な粒度や品質などが求められます。

同じ菊芋でも、販売先が変われば、 適した加工形態や包装方法も変わってきます。

加工費だけでなく、製品歩留まりも大切

菊芋を加工する際には、 1kg当たりの加工費だけで判断するのではなく、 最終的に何kgの商品ができるかを 考えることが重要です。

例えば、パウダーは粉砕やふるいの工程が加わりますが、 形状選別によるロスが少ないため、 チップスより製品重量を確保しやすいという特徴があります。

反対に、チップスは形や厚みによって 商品価値や用途を変えられることが魅力です。

単純に加工費の安さだけで比較するのではなく、 出来上がる数量、商品の用途、 販売価格まで含めて考えることが大切です。

品質や保存性の確認も忘れずに

乾燥加工によって水分を減らしても、 それだけで長期間の保存が保証されるわけではありません。

商品として販売する場合には、 水分や水分活性、微生物などの品質確認、 包装資材の選定、保存試験など、 製品に応じた検討が必要です。

特にパウダーは、指定された粒度に仕上げることや、 食品原料として求められる品質を 維持することも重要になります。

育てた菊芋を、商品という新しい形に

菊芋は、生鮮野菜として販売するだけでなく、 乾燥チップスやパウダーに加工することで、 さまざまな商品への展開が考えられます。

スライスの厚みによって食感を変えたり、 パウダーとして食品に配合したり。 加工方法を工夫することで、 菊芋の活用の幅はさらに広がります。

大切なのは、加工することを目的にするのではなく、 どのような商品として届けたいかを考えること。

せっかく育てた菊芋だからこそ、
その可能性をもっと広げてみませんか。

KIKUIMO PRODUCT SUPPORT

菊芋の加工・商品化をご検討の方へ

「収穫した菊芋を乾燥加工したい」
「菊芋をパウダーにして販売したい」
「どのような商品にできるか相談したい」

アルファインでは、20年以上にわたり 菊芋の加工や商品開発に取り組んできました。

菊芋の特徴や加工方法を踏まえ、 チップスやパウダーへの加工、 オリジナル商品の企画・商品化について ご相談を承っています。

具体的な商品が決まっていない段階でも お気軽にお問い合わせください。